ココロの栄養

逆境を乗り越える人が持つ心理状態とは【日頃から意識できること】

逆境

成功には高い自己効力感

難題を抱えたとき、「目標を達成できる!」「遂行できる!」と自信をもって行動できる人のことを、高い自己効力感を持つ人と表現します。自己効力感を強く持てる人は、壁にぶつかった時でも積極的に動けます。周囲にも良い影響を与えることがわかっています。

自己効力感が高く、「成し遂げることができる」と自分を信じる人は、絶え間ない努力をするため、成功につながりやすい傾向があります。自己効力感は個人の選択、目標、努力、忍耐力、思考様式、ストレス耐性に影響を与え、業績と正の関係にあることが明らかにされています。(Bandura,1997:Judgeet al.,2007:Luthans,2002a:Stajkovic and Luthans,1998)

自己効力感は人の注意プロセス、思考プロセスにも影響を与えます。高い自己効力感を持つ人は、目標を達成するとさらに高い目標を設定します。そして目標をより高くすることで、克服すべき問題が再度生じて、モチベーションが高まっていきます¹。このように成功体験を繰り返すことで、似たような状況に直面した際に、すんなりと対処できます。
¹(Appelbaum and Hare,1996;Bandura and Locke,2003:Locke and Latham,1990)

自己効力感が高い人ほど、心理的ストレスが生じたときに、心拍数や血圧の変動がなく身体に影響が少ないといわれています。(Bandura,Reese & Adams,1982;Perkins & Jenkins,1998).

自己効力感が高い人は、成功する。

自己効力感が高い人は、難題を抱えた時に解決策を探したり分析することに重点を置きます。一方で、自己効力感が低い人は難題を抱えた時に自己の内面に注意を向け、他人の評価に気を取られる傾向があります。そうした人々は自身の欠点をくよくよと悩み、悲観的になり失敗の道筋を思い描く傾向があると指摘されています。(Bandura and Wood,1989)

多くの人は能力があるにも関わらず、「自分には能力がないので無理だ。出来ない。」と自分を信じられず、選択肢を狭めています。この自己制御は実際の能力不足というよりも、むしろ自己不信自信の喪失から生じているといわれています。(wood and Bandura,1989)。

自己効力感を高めるには

①成功体験
②代理経験
③社会的説得
④生理的・感情的状態
(参考:白岩航輔,自己効力感の向上プロセスに関する研究

【成功体験】
自己効力感を高めるのに、もっとも大切な要素です。注意しなければならないことは、頭の中では「達成すれば成長する」と理解できていますが、目標が大きすぎると行動に移せない・継続できないという事態に陥ることです。そこでオススメなのが、短期目標を設定する方法です。

短期目標を設置する
達成したいことがあるとき、いきなり難しい内容に目標を立てず、小さな単位に分割して優しい内容から順番に達成していく方法です。

例えば、「富士山登頂(標高3776m)」が最終的な目標であれば、「標高1000~2000mの山に登る」ことを短期目標とします。まずは筋力トレーニングや有酸素運動で身体を鍛えます。その後、標高1000mの山に登り、自分の実力を確認するべきです。その結果、体力が余っていたら標高2000m~2500mの山にチャレンジしていき、最終的には富士山登頂(標高3776m)に向けて進んでいきます。

現状を把握し、目標達成までの行動を見つけるためにする質問を、スケーリング・クエスチョンといいます。例えば「10点満点とすると、今は何点?」と質問する方法です。現在出来ていることは何か、目標達成のために必要な事は何か、今から出来る事は何かを把握するために行われます。具体的に物事を考えたり、自分の状況を客観的に把握できます。

「10点満点とすると、今は何点?」

また、スケーリング・クエスチョンで小さな変化にも気がつくことができ、行動と結果が結びつきます。その瞬間に、成功体験として認識され自己効力感が高まります。(参考:伊藤,2009)
すると、新たな課題が生じても「できそうだ」と感じ、行動に移しやすくなります。

目標を達成した経験があれば、新たな課題が発生したときに過去を振り返ることで、どのような行動が結果につながったのかが頭の中で理解できています。このような経験の積み重ねが自己効力感を高めます。

 

【代理経験】
代理経験は2通りの方法があります。
1つ目は人の行動を観察し、「自分にもできるはず」と自分を説得することで、自己効力感を高める方法です。ポイントは、同世代や同程度の実力・友人・家族など自分に近い状況の人から情報を得ることです。自分の置かれている状況と観察相手が近ければ近いほど、良い影響を受けます。成功までのプロセスをより詳しく知ると、代理経験を得られやすくなります。

2つ目は自分で自分の長所を評価する方法です。長所を評価することで「少しは出来るようになってきた。まだ成長できる。」と考えます。

 

【社会的説得】
「褒められる」ことで自己効力感を高めることができます。それは褒められた経験があるとで、自分の能力を疑わずに取り組むことができるからです。逆境に直面した際は、自分の事を冷静に分析し、欠点を補填するために行動できるといわれています。

誰かを育てたい時は、短所ではなく長所をみる。

自分でもできる事は、評価をポジティブに変換するように意識を高めることです。誰かに怒られた場合、自信を無くすのではなく「自分のために言ってくれている」と解釈すれば、欠点を補填するために行動でき、成功体験が得られやすくなります。

 

【生理的・感情的状態】
不安、ストレス、緊張、疲労といった生理的・感情的状態も自己効力感に影響します。自分の状況を正しく知り、常に良い状態に保つことが重要です。

ストレスを客観的にみる方法・対処法については下記のブログに詳しく記載しています。

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若々しいココロとからだを保ち、最期まで自立した生活を過ごすため、①身体の悩みに合わせたアイテムの紹介、②健康管理の豆知識、③こころの健康を保つ方法について紹介します。