【記事の内容】
・事故を防ぐには失敗を共有しよう
ハインリッヒの法則
・会話がはかどる心理的テクニック
①スティンザー効果
②ピグマリオン効果
③単純接触効果
④返報性の原理
事故を防ぐには失敗を共有
事故は、確率の問題です。
取り返しのつかない重大な事故を未然に防ぐために、小さなミスや異常を見逃してはいけません。
【事故は確率⁈】
下の図は「ハインリッヒの法則」といい、人間の生命に直結するような仕事において、広く浸透している考え方です。
![]() (図:wikipedia) |
1件の重大な災害の陰には、29件の軽症の事故があり、さらにその後ろには300件の「ひやっとした」例があるといわれています。 |
少しでも「ひやっとしたこと」をみんなで話し合い、その原因を確認し対策すると、重大な事故を未然に防ぐことができます。
情報を共有するメリット
・感受性を鋭くする
・集中力を高める
・問題解決の意欲が高まる
・チームワークの強化
・安全意識の高い雰囲気
ミスをした時に「自分で何とかすればいい」「怒られるのがいや」「評価を下げたくない」「失敗を認めたくない」といった心理が働きます。すると、誰にも相談せず、失敗を自分の中だけで解決してしまいます。
失敗を話し合える雰囲気が大切。
会話がはかどる心理テクニック
①スティンザー効果
②ピグマリオン効果
③単純接触効果
④返報性の原理
①スティンザー効果
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スティンザー効果とは、人と話す時の角度や位置によって、相手の心理が変わることです。 |
⑴自分の真正面にすわる人
→真正面にすわる人は反対意見であることが多い。過去に対立した人も正面に座りやすい。
⑵自分の横に並んですわる人
→自分の味方になってくれる可能性がある。頼られている。
⑶自分の斜めにすわる人
→相手にストレスを与えないため、親しい関係を築きやすい。意見の衝突が起こりにくい。
部下や後輩・顧客に、面談やアドバイスをする時には、斜めもしくは横にすわらせると、いい関係が築けやすくなります。(相手の真正面にすわると、威圧感を与えてしまうので注意が必要です。)
②ピグマリオン効果
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ピグマリオン効果とは「心から期待すると、相手がその期待に応えてくれる」といった心理効果のことです。 |
部下に対して「伸びしろがある」と信じ込むことで、部下に対する接し方が変わります。指導者の振る舞いは、自然と部下に伝わり、相手の成長に影響を及ぼします。
ゴーレム効果
ピグマリオン効果の反対を、ゴーレム効果といいます。
相手の行いに不満があったとき、「何もできないな」「やる気が感じられない」のように、決めつけるような言葉を相手に伝えると、さらにパフォーマンスが下がり、結果が出ません。
真剣さや一生懸命さというのは、相手に伝わります。
部下が失敗した時は「これからに期待しているよ」といった前向きな言葉をかけましょう。
③単純接触効果
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人は、よく知らない人に対して警戒心をもちます。何度も接触することで、警戒心が薄れていき、しだいに好感度や関心が高まります。 |
例えば、同じ30分でも、分けて会話をする方が効果的です。
30分間(週1回)の話し合いではなく、10分間(週3回)など、複数回に分けましょう。
少し時間があれば、顔を見せる。
④返報性の原理
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返報性の原理とは、相手から受けたことに対し「お返し」をしたいと感じる心理のことです。 |
返報性には4種類あります。
⑴敵意の返報性
相手から受けた敵意に対して、敵意で返したくなる
⑵譲歩の返報性
相手が譲歩したら、自分も譲歩してあげたくなる
⑶自己開示の返報性
相手が自己開示したら、自分も自己開示したくなる
⑷好意の返報性
相手から受けた好意に対して、好意で返したくなる
今回は特に重要である、⑶自己開示、⑷好意について記載します。
⑶自己開示の返報性
自分がオープンな態度で相手に接すると、相手も自分に心を開きやすくなる心理のことです。
対話の場面では、自分の考えや弱みを先に伝えると、相手の警戒心を解くことができ、本音を話してもらえます。
相手のこころを開きたければ、自分からこころを開く。
⑷好意の返報性
ちょっとしたお菓子や心遣いなど、気軽に受け取れるものを贈ると、相手に喜んでもらえるためコミュニケーションが円滑に進みます。
自分が相手に助けてもらった時は、必ずお礼を伝え、恩返しをしましょう。

失敗の分析方法について下記のブログ(後半)に詳しく記載しています↓

最後までご覧いただきありがとうございました。