【記事の内容】
・失敗のとらえ方(4つ)
・失敗と忍耐力の関係
(若い頃は憶病になりやすい)
・忍耐力を身につけるには?
・失敗を知識化して吸収する方法
失敗は4つのとらえ方がある
何かを新しく始めると、必ず失敗します。人が生きる上で、失敗はつきものです。
失敗は、学習の機会や成長に繋がるポジティブな側面がある一方で、恥や恐れ・無力感・抑うつなどネガティブな要素もあります。
失敗の持つネガティブな要素を抑えて、失敗から学べるポジティブな要素を最大限に引き出すことが重要です。
【失敗についてどう感じますか?】
(参考:三沢良,失敗に関する価値観についての検討)
①起こしたくない | ・損をする ・回避したい ・迷惑をかける |
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②気分が悪い | ・落ち込む ・後悔する ・恥ずかしい |
③起こりうるもの | ・日常茶飯事 ・避けられない |
④学習への機会 | ・学びへの気づき ・成長に欠かせないもの |
失敗を「①起こしたくないもの・②気分が悪いもの」というネガティブなとらえ方をしていると、たとえ大きな成長を得られるチャンスであっても、失敗の原因を振り返らないため、嫌な気持ちで終わります。失敗を恐れていては、何も得られません。
失敗を「③起こりうるもの」といった中立的なとらえ方や、「④学習への機会」といったポジティブなとらえ方をすると、「同じミスを二度と繰り返さないように」と努力するため、知識と経験を獲得します。
反省点についてより深く考えるので、知識が体に沁みつき、今後に生かす事ができます。
(図:畑村洋太郎,失敗学のすすめ,2002)
困難な状況に直面しても、悲観的にならず行動する人は何かしらの教訓が得られます。
情報が体に沁みつき知識化した時に、初めて使えるようになる。
失敗を前向きに捉える事が重要
失敗を恐れず、たとえ失敗した場合にすぐ切り替える姿勢は、自分の考えをしっかりと持って生きる自律的な生き方や、物事に対して意欲的に取り組む生き方に繋がっています。
苦しみの中にさえ意味を見出していこうとするため、精神的にも安定し、未来を前向きに生きられます。
「逆境を乗り越えるために日頃から意識できること」については下記のブログに詳しく記載しています↓

若い頃は憶病になりやすい
(参考:高井範子,青年期および成人期における忍耐力と失敗懸念に関する研究)
特に20代・30代・40代は、失敗し傷つくことを恐れ、憶病になります。
年を重ねるにつれて、「失敗を恐れる」生き方から脱却していきます。数多くの課題が生じるたびに、努力し困難を乗り越えていくことで、若いころよりも忍耐力が身に付きます。
成功には忍耐力が大切です。
貯金もスキル習得もダイエットも、忍耐力なくして成功はありません。
忍耐力を身につけるには
(参考:高井範子,青年期および成人期における忍耐力と失敗懸念に関する研究)
【忍耐力を身につけるには】
・意欲的な生き方をする
・目標をもつ
・困難を克服する経験を得る
・努力や達成する経験を得る
・ほめられ経験をする
自尊心の低い人は、何に関しても否定的に評価し、困難に立ち向かう勇気が足りないといわれています。失敗を恐れやすく、新しいチャレンジをしません。
自尊心を高めるには、自分に自信を持つことが重要です。相手に自信をつけるコミュニケーションに関しては、下記のブログに詳しく記載しています↓

失敗を分析する
(参考:畑村洋太郎,失敗学のすすめ,2002)
失敗の原因を特定し、情報を吸収できるような形に整理しなければ、同じ過ちを何度も繰り返してしまいます。失敗を正確に分析すると行動指針となり、同じ失敗を繰り返さずに済みます。
【失敗原因の分類】
●人類が未だ知らなかったことが出現したことが原因
→未知
●自分が未熟で仕事とその知識を知らなかったことが原因
→無知・不注意・手順の不順守
●自分がよく考えなかったことが原因
→誤判断・調査や検討不足
●自分の仕事の企画段階では知り得なかったことが原因
→制約条件の変化
●自分の組織以外の別組織の判断ミスが原因
→企画不良・価値観不良・組織運営不良
【失敗にいたる脈絡】
●どんなことに迷ったか
●どんなことを試したのか
●どのような失敗をしたのか
個人の責任追及ではなく、失敗の原因を考える。
整理した事を短い文章で記述したり、本質的な事だけを図で示す
失敗の振り返り
(参考:畑村洋太郎,失敗学のすすめ,2002)
・事象(ある条件や環境が影響して生じる物事)
・経過(物事の進行・変化)
・原因(状態や変化を引き起こした事柄)
・対処(その失敗に対し、どう対応したか)
・総括(まとめ)
人は誰でも間違いを犯します。ミスが起きないように具体的な方法を考え、環境を整える事が大切です。
ストレスを抱えやすい性格の方は、失敗すると多大なストレスが溜まります。
「ストレスを抱える人に対して周りができること(傾聴のポイント)」について下記のブログに詳しく記載しています↓

最後までご覧いただきありがとうございました。