老化すると、どの部位の筋肉が衰える?
日本人の平均身長・体重・筋肉量が記載されている表です。

(参考:谷本 芳美:日本人筋肉量の加齢による特徴,日老医誌 2010;47:52―57)
18歳以上の日本人4,003人の筋肉量を調査している文献で、加齢に伴う筋肉量の変化に特徴があることがわかります。
①足(下肢)の筋肉量は20代ごろから衰え、大きく減少
②腕(上肢)の筋肉量は60代になるまで衰えない
③体幹の筋肉量は、男性約45歳・女性約50歳までは上昇している。それ以降は、徐々に筋肉量が減る
(参考:谷本 芳美:日本人筋肉量の加齢による特徴,日老医誌 2010;47:52―57)
筋肉の減少率は、足(下肢)が最も著名で、次に全身、腕(上肢)、体幹の順で筋肉量が減少します。
足の筋肉量の減少率は、男性30%・女性28.5%です。
男性は女性と比べて、筋肉量が減少しやすい事もわかります。(男性>女性)
筋肉の減少率⇒ 足>全身>腕>体幹
先ほどは筋肉量の変化について記載しました。次は、「加齢に伴う筋力の変化」について記載します。
(参考:久野譜也,高齢者の筋特性と筋カトレーニング,体力科学(2003)52 Suppl,17〜30)
上の表は、加齢による上肢(腕)と下肢(足)の筋力の変化を示しています。
上肢と下肢を比べると、下肢(足)の方が約10~15%筋力が低下していることがわかります。
足(下肢)を鍛えることが重要です。
筋肉の種類
どういった運動が良いのか?を記載する前に、筋肉の種類について説明します。
筋肉には速筋(ソッキン)と遅筋(チキン)の2種類があります。
(参考:e-ヘルスネット > 筋力・筋持久力・e-ヘルスネット > 骨格筋)
速筋(bセンイ)
特徴:瞬間的に大きな力を出す 短距離走者に多い筋肉 鍛えるには、筋トレを行う。 |
遅筋(aセンイ)
特徴:長時間にわたって力を発揮する マラソンランナーに多い筋肉 鍛えるには、有酸素運動を行う。 |
【加齢によって筋肉が減少するのは、速筋(b)か遅筋(a)のどちらか?】

(参考:池添浩二:骨格筋老化のメカニズム,(日老医誌2004; 41: 610-611))
答え→加齢によって、特に速筋繊維(b)が衰えます。
速筋繊維を鍛えるには、有酸素運動ではなく筋力トレーニングが効果的です。
*上記の「速筋と遅筋の違い」を確認してみてください。
散歩やジョギングなどの有酸素運動では、加齢にともなう速筋繊維の衰えには、あまり効果がありません。
散歩やジョギングなどの有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングが必要です。
効果はあるのか?どれくらいの頻度?
【筋トレの効果はあるのか?】
(参考:池添浩二:骨格筋老化のメカニズム,(日老医誌2004; 41: 610-611))
この研究は、60代以上の高齢者に対して、運動強度20%に設定して1年間トレーニングをした結果です。運動の頻度は、週1回もしくは週2回としています。
【研究の結果】
トレーニングをしていない方は、1年後に筋肉量の減少が見られます。
週1回トレーニングをした方は、1年前とほぼ同様の筋肉量です。
週2回トレーニングをした方は、1年前より筋肉量が増えています。
シニアでも筋力トレーニングの成果が表れます。(90代でも効果があるといわれています。)
【どれくらいの頻度で筋トレをしたらいいのか?】
高齢者が注意するべき事は、トレーニングの負荷が強いとケガに繋がりやすい事です。
(参考:池添浩二:骨格筋老化のメカニズム,(日老医誌2004; 41: 610-611))
文献によると、若者と比べて高齢者では、筋肉の修復速度が遅いとの報告があります。
筋肉の修復速度が遅いと、筋肉が成長する過程(超回復)に遅れが生じます。
【超回復】
筋肉を使う→筋肉が傷つく→筋肉を修復する→筋肉が成長する
トレーニングによって傷ついた筋肉を修復する前に、再びトレーニングによって筋肉を痛めつけてしまうと、トレーニングの効果が薄れる上、ケガにも繋がります。
アメリカスポーツ医学会の指針¹›では48時間以上の休憩を推奨しています
¹›Kenney W L.運動処方の指針,第5版,南光堂,(1997),69
週2・3回の筋力トレーニングを一定期間行うことで、筋肉を増やす事ができます。トレーニングは48時間以上期間を開けましょう。
注意点
・ケガのリスク
・バイタルサインの変化
【ケガのリスク】
・間違った方法で筋トレを行っていると、ケガに繋がります。
・自分の限界を超えた重量やセット数も、身体の負担が大きく、ケガに繋がります。
【バイタルサインの変化】
トレーニングをすると、血圧が上昇しやすいといわれています。
(参考:池添浩二:骨格筋老化のメカニズム,(日老医誌2004; 41: 610-611))
・トレーニング中に息を止めてしまう(バルサルバ効果)と、血圧上昇に繋がります。
・トレーニングの負荷が高すぎることも、血圧上昇の原因のひとつです。
自分に合ったトレーニング強度や方法を見つけましょう。
トレーニング中は、呼吸を意識して行うことが大切です。
RIZAPがシニアプログラムを始めました(YouTube:RIZAPシニアプログラム)。
松平健さん(66歳)がRIZAPのプログラムで、筋肉率が111%upし、体内年齢を20代に戻しています。体重も-17㎏減量し、健康的な身体を手に入れています。
【RIZAPの特徴】
★専属トレーナーによるマンツーマントレーニング
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運動に自信がない方・病歴がある方でも安心してトレーニングが受けられるようなシステムが整っています。(①180か所以上の連携する医療機関へ相談が可能、②トレーナーと医師のカルテに基づいた完全オリジナルのプログラム)


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