知らぬ間にストレスが溜まっている
こころの不調は、誰にでも起こりうるものです。
自分が抱えているストレス(ストレッサー)に気づき、心の健康状態について理解し、適切に処理できると、心の病気の発症を防ぐことができます。
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図に記載されているSOC(首尾一貫感覚)とはsense of coherenceの略で、ストレス対処能力のことです。ストレスが生じたときに、処理が成功すると健康、処理が失敗すると病気に繋がります。 |
(参考:山本大誠:身体運動によるストレスへの対策,バイオメカニズム学会誌,Vol. 35, No. 1(2011))
【記事の内容】
①自分のストレスを客観的にみる
②メンタルヘルス不調について知る
③対処法を知る
①自分のストレスを客観的にみる
ストレスの度合いを客観的に示した43の項目が、下の表になります↓↓

(参考:山本大誠:身体運動によるストレスへの対策,バイオメカニズム学会誌,Vol. 35, No. 1(2011))
1年間のストレス度合いが高いほど、健康に支障をきたします。
大切な人との別れ・離婚・自分のケガや病気・結婚・失業・退職などはストレス度合いが特に高いので、こころの状態に注意することが必要です。
【ストレスの種類】
ストレスには、①良いストレス、②悪いストレス、③どちらにもなり得るストレスの3種類あります。

(参考:二木鋭雄:良いストレスと悪いストレス,日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)129,76~79(2007))
人はストレスを受けると、一時的に身体の機能が低下しますが、ストレスに対処しようと徐々に身体が活性化し、結果的にプラスの効果をもたらす事があります。これは、①良いストレス・③どちらにもなり得るストレスです。
「③どちらにもなり得るストレス」は、上の表をみると運動・仕事・ノルマが挙げられます。人によっては成功・達成感・充足感につながり、良い影響を与えます。しかし、人によっては、このストレスが大きな負担になることもあります。状況によってもストレスの受け取り方が変化し、身体の状態が悪い時やストレスが強すぎる時・ストレスが頻繁に生じているときは、防御力や適応能力が発揮できず、②悪いストレスになります。
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②メンタルヘルス不調について知る
厚生労働省のサイト(こころの耳,15分でわかるセルフケア)はメンタルヘルス不調について、詳しく記載されています。下記に記載している内容が、メンタルヘルス不調の症状です。
ストレスを感じていると、身体面、心理面、行動面に反応が表れます。ここ1ヶ月を振り返ってこのようなことはありませんでしたか?
•ひどく疲れた
•へとへとだ
•だるい
•気がはりつめている
•不安だ
•落ち着かない
•ゆううつだ
•何をするのも面倒だ
•気分が晴れない
(参照:こころの耳,15分でわかるセルフケア)
思い当たる症状がある方は、こちらのサイト(厚生労働省:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)にストレスセルフチェック方法や相談窓口が記載されているので、確認してみてください。働く方・ご家族の方・事業者の方・部下を持つ方・支援する方など、立場に応じた内容が記載されています。
③対処法を知る
ストレスが溜まっている事を感知したら、適切な方法でストレス発散することが大切です。「無理をしないこと」を心がけましょう。
入浴やシャワー | 寝付きをよくするためには、就寝から2~3時間前の入浴が理想です。①38度のぬるめのお湯で25~30分、②42度の熱めのお湯なら5分程度、③約40度のお湯で30分ほど半身浴など、①-③が推奨されています。自分の体調や好みにあった入浴を選択しましょう。(参考:e-ヘルスネット > 快眠と生活習慣) |
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マッサージやストレッチ | 30分程度にわたり全身の筋肉を順番に伸ばしていくと、副交感神経(リラックスする神経)の活動を活発化させることが明らかになっています。(参考:e-ヘルスネット > ストレッチングの効果)
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快適な睡眠や15分の昼寝 | 睡眠は、心身の疲労回復をもたらすとともに、記憶を定着させる、免疫機能を強化するといった役割ももっています。(参考:厚生労働省> 睡眠障害)
昼寝は15 分~20 分程度の仮眠であれば、夜の睡眠に影響しないので、午後の眠気の改善に有効であるとしています。(参考:林光緒:午後の眠気と短時間仮眠の効果,臨床脳波,Vol.50, No.12, pp.724-729, 2008) |
腹式呼吸やヨガ | 腹式呼吸は自律神経を調節し、ストレスを緩和させるといわれています。(参考:坂木佳壽美:腹式呼吸が自律神経機能に与える影響,体力科学(2001)50,105~118)
呼吸法とストレッチを含むヨガはリラックス効果があります。 |
笑い | 笑いは思考を無にし、頭(前頭葉)から発する精神的ストレスを一時的にゼロまたは低下させるといわれています。その結果、不安解消・緊張の緩和・ストレスの軽減に効果があります。(参考:三宅優:健康における笑いの効果の文献学的考察,岡山大学医学部保健学科紀要,17:1-8,20) |
仕事から離れた趣味 | 熱中できる趣味があると、趣味に没頭することでストレスの緩和に役立ちます。 |
軽い運動 | 軽い運動は、頭(海馬)の働きを増し、認知機能の改善や抗うつなどメンタルヘルスの改善効果があるといわれています。(参考:三上俊:身体運動は精神的ストレスにより生ずる記憶学習能力の低下を抑制する,体力科学,56(6)581,(2007)
ストレスを感じているときは、疲れない範囲で運動をしましょう。 |
相談する | 厚生労働省:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトには、専門家への相談窓口やアドバイスが記載されています。
ひとりで悩まず、だれかに相談することで、客観的な意見を聴くことができ、問題解決に近づけます。 |

最後までご覧いただきありがとうございました。